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指標発表でスプレッドは何倍に広がる?雇用統計246回を検証してみた
結論:米雇用統計の発表直後1分で、スプレッドはふだんの約2倍に広がりました。ただし広がるのは短く、発表から15分たつと、ほぼ元の幅に戻っていました。EA に「指標の前後は入らない」フィルターを付けるなら、発表の前後15分で足りそうです。
なぜ検証したか
EA のバックテストは、ふつう「スプレッドは一定」として計算します。でも実際は、重要な経済指標の発表時にスプレッド(買値と売値の差=取引のたびに払うコスト)が広がります。どのくらい広がり、何分続くのかを、実際のデータで確かめました。
検証の方法
- 対象:米雇用統計(NFP)の発表 246回
- 比べる相手:発表と同じ曜日・同じ時刻で、発表のない日 197日
- 通貨ペア:USDJPY・GBPJPY・EURUSD
- データ:売値と買値が1件ずつ記録されたティックデータ(ForexTester 用のデータ)
- 見た値:発表の日のスプレッドの中央値 ÷ 発表のない日の中央値(=何倍か)
- 測定日:2026年9月8日
結果:広がるのは発表直後の1分

| 発表からの時間 | USDJPY | GBPJPY | EURUSD |
|---|---|---|---|
| 60分前〜5分前 | 1.0倍 | 1.0倍 | 1.0倍 |
| 5分前〜発表 | 1.6倍 | 1.3倍 | 1.3倍 |
| 発表〜1分後 | 2.0倍 | 2.2倍 | 1.8倍 |
| 1分後〜5分後 | 1.4倍 | 1.3倍 | 1.3倍 |
| 5分後〜15分後 | 1.0倍 | 1.1倍 | 1.0倍 |
| 15分後以降 | 1.0倍 | 1.1倍 | 1.0倍 |
2006〜2018年と2019年以降に分けて測っても、同じ形(直後1分が2.0〜2.2倍)でした。
「たまに」はもっと広がる
上の表は中央値(真ん中の値)です。発表の回ごとのばらつきを見ると、広い方から5%の回では、発表直後1分のスプレッドがふだんの中央値の6〜8倍になっていました(USDJPY 4.8pips、GBPJPY 15.1pips、EURUSD 2.4pips)。
EAに活かすなら
- 発表の前後15分は新規で入らない:この検証の範囲では、15分後にはほぼ元に戻っていました。
- スプレッドの上限フィルターを付ける:「スプレッドが◯pips 以上なら入らない」とすれば、6〜8倍になった回も避けられます。
- バックテストのコストを甘くしない:指標の時間に入る EA なら、固定スプレッドの結果より悪くなると考えておきます。
この検証でわからないこと
- 滑り(注文した価格と約定した価格のずれ)は含んでいません。実際の損は、スプレッドの拡大より大きくなることがあります。
- 金(XAUUSD)は測れませんでした。ティックデータが空だったためです。
- データは1つの業者のものです。スプレッドの広がり方は FX 会社によって違います。GBPJPY は、ふだんの幅がこのデータと実際の口座で3倍ずれていたので、「何倍か」だけを参考にしてください。
- 雇用統計以外の指標(CPI・FOMC など)は測っていません。
よくある質問
雇用統計の発表直後はスプレッドが何倍になりますか
この検証(雇用統計246回)では、発表直後1分の中央値がふだんの約1.8〜2.2倍でした。広い方から5%の回では6〜8倍になっていました。
スプレッドは何分で元に戻りますか
この検証では、発表から5分後には1.0〜1.1倍、15分後以降も1.0〜1.1倍で、ほぼ元の幅に戻っていました。
EAの指標フィルターは何分にすればいいですか
この検証の範囲では、発表の前後15分を避ければスプレッドの拡大はほぼ避けられます。ただし滑りや他の指標は測っていないため、余裕を持たせるかは EA の作りに合わせて決めてください。